電話占いと祝儀
非常に情けない話ですが、私がまだ20代のころ、超がつくほどの優柔不断だったので、何事も自分で決めることは出来ませんでした。
少しでも悩むことがあると、年の離れている姉に伺いをたてるのが常識となってしまっていたのです。
そして姉の結婚が決まり、都合により結婚式が遠方で行われることになった事によって悩みぬいてしまうハメになったのです。
姉の結婚式は東京で行われるのですが、私は北海道在住でしたのでかなりの時間と金額をかけて駆けつけなければなりません。
調べると季節柄なのか、旅費と宿泊費を合わせると10万円近くにもなるのです。
以前姉から、「親族の祝儀は10万円が基準」と教わっていたのですが、旅費や滞在費がかかる場合は、親族であってもご祝儀を減らして良いものかと、胃が痛くなるほどに悩んでしまったのです。
いつも、そんな時は姉に頼っていたのですが、姉の結婚式に対するマナーの事をまさか本人に尋ねるわけにもいきませんので、色々悩みぬいた結果、電話占いに頼る事にしたのです。
実は私の両親は既に亡くなっていたので、本当に他に相談できる様な人がいなかったのです。
そして実際に利用してみたのですが、電話占い師から、「たった一人の親族のご祝儀をケチる様な真似はしないこと」といわれました。
私はその言葉に従うことにし、姉の為を思って定期貯金を解約し旅費とご祝儀で合計20万円用意したのです。
続きます。
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祝う心と許す心
姉の結婚式は素晴らしいものでした。
私はお飾りの様に座っていただけでしたが自分の事の様に嬉しく感じたことを覚えています。
これから姉の素晴らしい結婚生活が始まるのですから、電話占いに従ってよかった、いくらご祝儀を出しても惜しくない、という気持ちになる事が出来たのです。
無事結婚式も終わり私は日常生活に戻ったのですが、姉が結婚してしまったので、以前の様に何かあると姉を頼るという事が出来なくなりました。
厳密にいえば、姉からは「いつでも電話してきてね」と言われていたのですが、姉にも家庭があるので、私が萎縮して電話をかけなくなったのです。
しかし、そのおかげで様々な事を自分自身で決める事が出来るようになり、自分が確かに成長していく事を実感出来たのです。
そして月日が立ち、とうとう私にも結婚の機会が訪れたのです。
結婚相手は地元で知り合った男性で、結婚式も地元の北海道で行う事になりました。
もちろん結婚式には姉も招待したのですが、姉は自分の地元なのにも関わらず、遠いといって少し不満気だったのです。
さらには、「旅費もかかるしご祝儀はいらないよね」といってきたのです。
私も大人になりましので、遠方の人間には旅費はこちらが負担する気持ちが初めからありましたが、まさか姉の口からその言葉が出てくるかと驚いてしまいました。
ですが、以前電話占い師から聞いた「たったひとりの親族なのだから」という言葉が頭に響き、快諾したのです。
おかげで素敵な結婚式にする事が出来ましたし、現在も幸せに暮らしております。
余談ですが、姉は近々離婚するらしく北海道に帰ってくるそうです。